FreeBSD ハンドブック : シリアル通信 : シリアル端末 : 端末の種類と利用方法
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13.2.1. 端末の種類と利用方法

もともと Unix システムにはコンソールがありませんでした. ユー ザはコンピュータのシリアル ポートに接続された端末からログインして プログラムを利用していました. ちょうどモデムと通信ソフトを使ってリモート のコンピュータにログインし, テキスト ベースのプログラムを利用するのと よく似ています.

最近の PC は, 高品質の画像を表示できるコンソールを搭載していま すが, ほとんどすべての Unix 系 OS には未だにシリアル ポートを使ってログ インするための機能があり, FreeBSD でもこの機能がサポートされています. 現在使用されていないシリアル ポートに端末を接続することでシステムに ログインし, 通常はコンソールや Xウィンドウ システムの xterm のウィ ンドウ上で起動しているテキスト ベースのプログラムであれば何 でも利用することができます.

職場での利用ということで考えるならば, FreeBSDが動作しているコンピュー タに接続された何台ものシリアル端末を各社員の机に配置するというようなこ とが可能です. また, 家庭での利用方法としては, 余っている古い IBM PC や Macintosh を FreeBSD が動いているパワフルなコンピュータの端末として利 用することができます. 普通ならシングルユーザのコンピュータを, パワフ ルなマルチユーザのシステムに変えることができるのです.

FreeBSD では, 以下に挙げる3種類の端末が利用できます.

以下は, それぞれについての解説です.

13.2.1.1. ダム端末

ダム端末は, シリアルライン経由でのコンピュータとの接続専 用のハードウェアです. ダム端末は, テキストの送受信および表示ができる 程度の計算能力しかもっていないので, ``dumb'' (間抜け) というように呼ば れています. この端末上でプログラムを実行することはできません. テキスト エディタ, コンパイラ, E-mail, ゲームなどなどのプログラムを実行するのは, ダム端末を接続しているコンピュータの方です.

Digital Equipment社の VT-100 や, Wyse社の WY-75 を初めとして, 多くのメーカが何百種類もの ダム端末を作っています. ほとんどどんな種 類のダム端末でも FreeBSD に接続して使用できます. さらに, 高性能の端 末の中には画像を取り扱えるものもありますが, 限られた数のソフトウェア パッケージしかこういった機能には対応していません.

ダム端末は, X ウィンドウ システムで提供されるようなグラ フィックアプリケーションを必要としない職場で広く用いられています.

13.2.1.2. PC を端末として利用する

ダム端末 がテキストの表示およ び送受信の機能をそなえただけのものならば, 言うまでもなく, どんなPC もダム端末になり得ます. 必要なものは適切なケーブルと, そのPCの上 で動作する端末エミュレーション を行うソフトウェアのみです.

このような環境は, 家庭においてよく利用されます. たとえば, あなたの同居 人が FreeBSD のコンソールを専有している時などに, あまりパワーのないコ ンピュータを FreeBSD システムにシリアル端末として接続し, その端末上で テキストだけを用いる作業をおこなうことができます.

13.2.1.3. X 端末

X 端末は, 既存のものの中で最も洗練された種類の端末といえ ます. X 端末は, たいていの場合シリアル ポートで゜はなく, イーサネッ トのようなネットワークを利用した接続をおこないます. また, アプリケーション の利用においても, テキストベースのものだけでなく, X アプリケーション の利用が可能です.

ここでは, 参考までに 端末について紹介しただけで, X 端 末の設定や利用についての解説はおこないません.


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