つまり, インターネットサービスプロバイダーになりたいのですね.
それにはまず, 1 台ないし複数の自動応答モデムが必要です.
モデムには, キャリアーを検出した時には CD信号を出力し,
そうでない場合には出力しないことが必要とされます. また DTR
信号が
on から off になった時には, 電話回線を切断し, モデム自身をリセットしなければなりません.
おそらく, RTS/CTS
フロー制御を使うか,
ローカルフロー制御をまったく使わないかのどちらかでしょう.
最後に, コンピュータとモデムの間は固定速度でなければなりません.
ただ, (ダイヤルアップの発呼者に対して親切であるためには) こちらのモデムと相手側のモデムの間の速度を,
モデム間で自動調整できるようにすべきでしょう.
多くあるヘイズコマンド互換モデムに対して, 次のコマンドはこれらの設定をおこない, その設定を不揮発性メモリーに保存します.
AT &C1 &D3 &K3 &Q6 S0=1 &W
MS-DOS のターミナルプログラムに頼らずに AT コマンドを送出するには, これらの AT コマンドを入力するには のセクション以下を参照してください.
次に, モデム用のエントリを /etc/ttys に作成しましょう. このファイルには, オペレーティングシステムがログインを待っているすべてのポートが記述されています. 以下のような行を追加してください.
ttyd1 "/usr/libexec/getty std.57600" dialup on insecure
この行は, 2 番目のシリアルポート (/dev/ttyd1
) には,
57600 bps の通信速度でノンパリティ (std.57600
: これは /etc/gettytabに記述されています.)
のモデムが接続されていることを示しています. このポートの端末タイプは ``dialup'' です.
またこのポートは, ``on'' すなわちログイン可能であり,
``insecure'' これは root
がこのポートから直接ログインするのは,
許可されていないということを意味します. このようなダイヤルインポートに対しては,
ttydX
のエントリを使用してください.
これが一般的な, ターミナルタイプとして ``dialup'' を使う方法です.
多くのユーザーは, .profile や .login で, login 時の端末タイプが dialup であった場合には,
実際の端末タイプをユーザーに問い合わせるように設定しています.
この例は, ポートが ``insecure'' でした. このポートで root
になるには,
一般ユーザーとしてログインし, それから ``su'' を使って root
になってください.
もし, ``secure'' を指定したならば, 直接 root
がそのポートからログインできます.
/etc/ttys に変更を加えた後は, hungup もしくはHUP
シグナルを
init プロセスに送る必要があります.
kill -HUP 1
この操作は init プロセスに /etc/ttys を再読み込みさせます. これにより, init プロセスは getty プロセスを すべての ``on'' となっているポートに起動させます. 次のようにして, ポートがログイン可能かを知ることができます.
ps -ax | grep '[t]tyd1'
ログイン可能であれば, 次のような出力が得られるはずです.
747 ?? I 0:00.04 /usr/libexec/getty std.57600 ttyd1