FreeBSD ハンドブック : PPP と SLIP : ユーザ ppp の設定 : 名前の解決に関する設定
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14.1.4. 名前の解決に関する設定

リゾルバ (resolver) はシステムの一部分で, IP アドレスとホスト名との 変換をおこないます. IP アドレスとホスト名を対応させるためのマップを, 二つの場所のうちの一つから探すように設定できます. 一つめは /etc/hosts (man 5 hosts) と呼ばれるファイルです. 二つめはインターネット ドメインネームサービス (DNS) と呼ばれる 分散データベースですが, これに関する議論は このドキュメントで扱う範囲を 越えていますので, これについての説明はおこないません.

このセクションではリゾルバの設定方法について簡単に説明します.

リゾルバは名前のマッピングをおこなうシステムコールの集合体です. ただし どこからマッピング情報を見つけるのかは, 最初に指示しておく必要があります. これは まず /etc/host.conf ファイルを編集することでおこないます. 混乱の元になりますので, このファイルを /etc/hosts.conf と 呼んだりしてはいけません (余分な ``s'' がついていますね).

14.1.4.1. /etc/host.conf ファイルの編集

このファイルには 以下の 2 行が (この順番で) 書かれているはずです:

   hosts
   bind

これは, 最初に /etc/hosts ファイルを調べ, そこで目的の名前が 見つけられなかった場合に DNS を引きにいくようリゾルバに指示します.

14.1.4.2. /etc/hosts(5) ファイルの編集

このファイルはローカルネットワーク上に存在するマシンの IP アドレスと ホスト名を含んでいるはずです. 最低でも ppp を動作させるマシンのエントリが 含まれている必要があります. そのマシンのホスト名が foo.bar.com で, IP アドレスが 10.0.0.1 であると仮定すると, /etc/hosts は 以下の行を含んでいなければいけません:

   127.0.0.1    localhost
   10.0.0.1     foo.bar.com	       foo

一つめの行は ``localhost'' を現在のマシンの別名として定義しています. マシン固有の IP アドレスが何であっても, この行の IP アドレスは 常に 127.0.0.1 でなければいけません. 二つめの行はホスト名 ``foo.bar.com'' (と, その省略形 ``foo'') を IP アドレス 10.0.0.1 にマップします.

もしプロバイダから固定の IP アドレスとホスト名を割り当てられて いるのであれば, それを 10.0.0.1 エントリのかわりに使ってください.

14.1.4.3. /etc/resolv.conf ファイルの編集

/etc/resolv.conf はリゾルバの振舞いを指定します. もし自前の DNS サーバを走らせているのなら, このファイルは空のままに しておくこともできます. 通常は, 以下のように書いておく必要があるでしょう:

   nameserver x.x.x.x
   nameserver y.y.y.y
   domain bar.com

x.x.x.xy.y.y.y はプロバイダから指示されたアドレスで, 接続するプロバイダが提供している「ネームサーバ」を すべて書いてください. ``domain'' に指定するのは このマシンのデフォルトのドメイン名で, おそらく 書かなくても問題は無いでしょう. このファイルの各エントリの詳細については, resolv.conf のマニュアルページを参照してください.

バージョン 2 以降の ppp を使用している場合には, ``enable dns'' コマンドを使用してネームサーバのアドレスを プロバイダに問い合わせるように指示することができます. 上の指定とは異なるアドレスをプロバイダが指定してきた場合 (または /etc/resolv.conf でネームサーバが指定されていない場合), ppp はプロバイダが指定したアドレスで resolv.conf を書きかえます.


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