静的に IP アドレスが割り当てられる場合は, デフォルトの状態を 変更する必要はありません. 割り当てられた名前をホストネームと するだけで, sendmail が後のことを引き受けてくれます.
ダイアルアップ ppp をインターネット接続に使用し, 動的に IP
アドレスが割り当てられる場合は, インターネットサービスプロバイダ
(ISP) のメールサーバにメールボックスがあるはずです. ISP のドメイン
が myISP.com
で, あなたのユーザ名が user
だと仮定します.
また, あなたが自分のマシンを bsd.home
と呼んでおり, ISP が
relay.myISP.com
をメールリレーとして使用できると言っていると
しましょう.
メールボックスからメールを取ってくるためには, retrieval (回収)
エージェントをインストールする必要があります. Fetchmail は
多種多様なプロトコルをサポートしているのでお勧めです. ISP が
使用しているのは大抵 POP3 プロトコルです. ユーザ ppp を使用している場合,
/etc/ppp/ppp.linkup
に以下のように記述すると, インターネットと
接続が完了した時点で自動的にメールを取得するようになります.
MYADDR: !bg su user -c fetchmail
この例では, user
が bsd.home
にアカウントを持ち,
bsd.home
上の user
のホームディレクトリに, 以下のような
.fetchmailrc
ファイルがつくられていることを想定しています.
poll myISP.com protocol pop3 fetchall pass MySecret;
言うまでもなく, このファイルは user
以外のユーザが読むことが
出来ないようにしなくてはなりません. 内容にパスワード MySecret
が
含まれているからです.
正しい from: ヘッダをつけてメールを送るためには, sendmail に
user@bsd.home
ではなく user@myISP.com
を使用するよう教える
必要があります. メールをより早く転送するために, 全てのメールを
relay.myISP.com
へ送るように sendmail に指示しておくのも良い
でしょう.
上の要件を満たすには, 以下のような .mc
ファイルが適しています.
VERSIONID(`bsd.home.mc version 1.0') OSTYPE(bsd4.4)dnl FEATURE(nouucp)dnl MAILER(local)dnl MAILER(smtp)dnl Cwlocalhost Cwbsd.home MASQUERADE_AS(`myISP.com')dnl FEATURE(allmasquerade)dnl FEATURE(masquerade_envelope)dnl FEATURE(nocanonify)dnl FEATURE(nodns)dnl define(SMART_HOST, `relay.myISP.com') Dmbsd.home define(`confDOMAIN_NAME',`bsd.home')dnl define(`confDELIVERY_MODE', `deferred')dnl
.mc
ファイルから sendmail.cf
への変換方法については,
前のセクションを参照してください. sendmail.cf を更新した後に
sendmail をリスタートするのもお忘れなく.