FreeBSD ハンドブック : FreeBSDのインストール : インストールの下準備 : ネットワーク経由のインストールの前に
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2.2.5. ネットワーク経由のインストールの前に

三つの物理的な接続形態で, ネットワーク経由のインストールを おこなうことができます.

シリアルポート

SLIP もしくは PPP 方式.

パラレルポート

PLIP (laplink ケーブル使用)

イーサネット

標準的なイーサネットコントローラ (いくつかの PCMCIA カードにも対応)

SLIP のサポートはまだまだ原始的とも呼べる方法なので, ラップトップと 他のコンピュータをシリアルケーブルで接続するといった具合いに, 直接接続してなくてはいけません. SLIP インストールは, ダイヤル機能を 持っていませんので, インストールするためには直接接続しなくてはなりません. PPP インストールではダイヤルアップ接続が可能ですので, できれば PPP 接続の 方を選択しましょう.

もしもあなたがモデムを使用しているなら, あなたに残された選択肢は ほぼ間違いなく PPP インストールでしょう. インストール時に必要になりますので, サービスプロバイダ (ISP) に関する情報を用意しておきましょう. PPP ダイヤルの際は, とてもシンプルな端末エミュレーターで作業する ことになりますので, お手持ちのモデムで ISP にダイヤルするため の「ATコマンド」の使い方を知っておく必要があります. もし PAP や CHAP を用いるなら, 「term」を入力する前に「set authname」や 「set authkey」といったコマンドを入力する必要があるでしょう. これ以上の情報については, handbookFAQ のユーザー PPP エントリーを参照して下さい. 問題が起きた場合には, set log local ... コマンドを用いてログを画面に吐くこともできます.

FreeBSD (2.0R 以降) の動いている別のマシンと直接接続が可能でしたら, ``laplink'' パラレルポートケーブルで接続することを考えてみましょう. パラレルポート経由のデータ転送スピードは, シリアルラインでの 一般的なスピード (最高 50kbit/sec) よりもずっと高速ですので, 高速にインストールすることができます.

最後になりますが, ネットワークインストールのうちでもっとも高速なものとしては イーサネットアダプタを使用するのがあげられます. FreeBSD ではきわめて多くの PC イーサネットカードをサポートしています. サポートされている カードの表 (と, 必要な設定) は, サポートされている設定一覧 に書いてあります. サポートされている PCMCIA カードを使っている場合には, ラップトップの電源を 入れる「前」に差し込んでおくことにも注意してください. 残念ながら今の FreeBSD は, インストール時の活線挿抜には対応していません.

ネットワークでの IP アドレス, あなたのアドレスクラスに対応した ネットマスク, マシン名を知っておくことも必要です. ネットワーク管理者の方に たずねればどんな値を使ったらよいかを教えてくれるでしょう. もしも他のホストを IP アドレスではなくて名前で引きたい場合, ネームサーバとゲートウェイ のアドレスも知らなくてはなりません (PPP をご使用の場合は, プロバイダの IP アドレスになります). これらのうちのすべて, またはいくつかを 知らない場合は, イーサネット経由でのインストールを始める前に「まず」 ネットワーク管理者に相談してください.

何らかのネットワーク接続ができたら, 続けてインストールを NFS か FTP 経由でおこないます.

2.2.5.1. NFS インストールのための下準備

NFS インストールはまったく単純明解です. FreeBSD の配布ファイルを サーバの好きな場所にコピーしておいて, メディア選択で NFS を選択します.

もしサーバが ``privileged (特権) ポート'' へのアクセスのみをサポート している場合, (Sun ワークステーションの標準ではこうなっています) インストールを進める前に Options メニューを選択して, ``privileged port'' オプションを選択してください.

イーサネットカードの性能が悪くて, 転送速度が遅くて困っている場合も, 適当な Options を選択するとよいでしょう.

NFS 経由でインストールするためには, サブディレクトリも 含めたマウントにサーバが対応している必要があります. 例えば, FreeBSD 3.1 の配布ファイルが ziggy:/usr/archive/stuff/FreeBSD にあるとすると, マシン ziggy では /usr/usr/archive/stuff だけではなく, /usr/archive/stuff/FreeBSD の直接マウントが可能に なっていなければなりません.

FreeBSD の /etc/exports ファイルでは, このことは ``-alldirs'' オプションによって制御されています. 他の NFS サーバの場合だとまた話が違ってくるかもしれません. もしもサーバから `Permission Denied' というメッセージが 返ってくるようでしたら, サブディレクトリマウントをちゃんと 有効にできていないことが考えられます.

2.2.5.2. FTP インストールのための下準備

FTP 経由のインストールは, FreeBSD 3.1 の最新バージョンを ミラーしているどのサイトからでも可能です. 世界中の妥当な FTP サイトの 選択肢をメニューに並べておきました.

このメニューに出ていない他の FTP サイトからインストール する場合や, ネームサーバの設定に問題が生じた場合は, メニューでサイト ``Other'' を選ぶところで, お好みの URL でサイトを指定することができます. URL として直接 IP アドレスで指定してもよく, 直接指定した場合はネームサーバ がなくても FTP インストールが可能になります. 例えば,

ftp://165.113.121.81/pub/FreeBSD/3.1-RELEASE
のような感じですね.

FTP 経由のインストールモードとして, このようなものが 使用可能です:

FTP Active

すべての FTP 転送の際に ``Active'' モードを使用します. ファイアウォール内部のマシンではうまく動きませんが, passive モードをサポートしていない古い FTP サーバでも 動作します. passive モードでの FTP 転送 (こちらが デフォルトです) が失敗した場合は, active を使ってください.

FTP Passive

すべての FTP 転送の際に ``Passive'' モードを使用します. このモードを使用することで, ランダムポートアクセスインを 許さないファイアウォールを越えることができるようになります.

注意: Active, passive モードは `proxy' 接続と同じではありません! proxy FTP サーバは FTP 要求 を受け付け実際の FTP サーバへ転送します.

通常 proxy FTP サーバ に対しては, ユーザ名の一部として @ 記号に続いて実際に接続したいサーバの名称を与える必要が あります. そうすると proxy サーバは本当のサーバの「ふり」 をするようになります. 例えば: ftp.freebsd.org から ポート番号 1234 で要求を待つ proxy FTP サーバ foo.bar.com を使って インストールしたいとします.

この場合では, 「オプション」メニューで FTP username を ftp@ftp.freebsd.org, パスワードとして自分の電子メールアドレス を指定します. インストールメディアとして FTP (または proxy サーバがサポートしていれば passive FTP), URL を以下のようにします:

ftp://foo.bar.com:1234/pub/FreeBSD
ftp.freebsd.org の /pub/FreeBSD に対する FTP 要求については foo.bar.com が代理で処理をおこなうことになり, 「むこう」 のマシンからインストールすることができます (インストール時 の要求により ftp.freebsd.org からファイルをもってきます).


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