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7.5.4. その他の印字オプション

lpr コマンドには, テキストの整形や, 図や他のファイル形 式の変換, 複数部コピーの生成, ジョブの扱いなどをを制御すること ができます. この節では, これに関するオプションについて記してい ます.

7.5.4.1. 整形と変換に関するオプション

以下の lpr 用のオプションはジョブにおけるファイルの 整形の制御に関するものです. このオプションは, ジョブにプレイン テキストが含まれない場合や pr ユーティリティを使ってプレイ ンテキストを整形する場合に用いてください.

次の例では, プリンタ bamboo に (TeX 組版システムによる) DVI ファイル fish-report.dvi を印字しています.

lpr -P bamboo -d fish-report.dvi
このオプションは, ジョブに含まれるすべてのファイルに対して適用さ れます. したがって, 1つのジョブに (例えば) DVI ファイルと ditroff ファイルを混在させることはできません. その代わりに, ファイルを 形式毎に別々のジョブに分け, それぞれのジョブでその形式用の変換 オプションを使って印字してください.

注意: -p-T を除くすべてのオプションを使用 するためには, 出力先プリンタ用の変換フィルタが必要です. 例えば, -d オプションを使用するには, DVI 用の変換フィルタが必要 です. 詳細については, 「 変換フィルタ」で説明しています.

-c

cifplot ファイルを印字します.

-d

DVI ファイルを印字します.

-f

FORTRAN プログラムを印字します.

-g

plot のデータを印字します.

-i number

出力に対して, number カラム分の字下げをおこないます. number が省略されると, 8カラム分字下げされます. このオプションはある変換フィルタと一緒の指定されたとき のみに機能します.

注意: -i と数字の間に空白を入れてはいけませ ん.

-l

制御文字を含む文字通りのテキストデータを印字します.

-n

ditroff (device independent troff) データ を印字します.

-p

印字する前に pr によってプレインテキストを整形し ます. 詳細については pr(1) をご覧ください.

-T title

pr コマンドにより生成されるヘッダを, ファイル名の 代わりに title とする. このオプションは, -p と一緒に使ったときのみ機能する.

-t

troff データを印字します.

-v

ラスタのデータを印字します.

次の例では, ls のマニュアルを美しく整形したものをデフォ ルトプリンタで印字しています.

zcat /usr/share/man/man1/ls.1.gz | troff -t -man | lpr -t
zcat コマンドで ls のマニュアルのソースファイルの圧 縮を復元し, これを troff コマンドに渡しています. これによ り, ソースファイルが整形され, GNU troff の形式となります. そ の結果は lpr に渡され, LPD スプーラへジョブの要求が発せ られます. lpr には -t オプションが使われているため, スプーラにて, GNU troff の形式からジョブを印字したときにデフォ ルトプリントが解釈できる形式へと変換されます.

7.5.4.2. ジョブに関するオプション

以下のオプションは, lpr によって, そのジョブを特殊 な扱いにするよう LPD に指示するためのものである.

-# copies

ジョブに含まれるファイルのそれぞれを1部だけ印字するの ではなく, copies 部のコピーを生成させるものです. 管理者によっては, プリンタの消耗を避け, コピー機による 複製を奨励するためにこのオプションの使用が禁止されてい るかもしれません. これに関しては, 「 複数部のコピーの印字を制限する」をご覧ください.

次の例では, デフォルトプリンタで parser.c を3 部コピーし, 次に, parser.h を3部コピーしています.

lpr -#3 parser.c parser.h

-m

印字ジョブが完了した後で, メールを送ります. このオプショ ンを付けると, LPD システムはジョブの扱いが終了したと きに, あなたのアカウントにメールを送ります. メールのメッ セージには, ジョブが正常終了したのか, あるいは, 何か異 常があり, (しばしば) その異常が何であったのかが書かれて います.

-s

印字ファイルをスプールディレクトリにコピーせず, 代わりに, シンボリックリンクを作成するよう指示します.

印字させるジョブのサイズが大きいとき, このオプショ ンを使うと便利かもしれません. このオプションにより, スプー ルディレクトリの容量が節約されます (それに, 巨大なジョ ブのお陰でスプールディレクトリのあるファイルシステムの 空き容量がなくなってしまうかもしれません). さらに, LPD がいちいちすべてのデータをコピーする必要がなくなりま すので, 時間の節約にもなります.

ただし, 欠点もあります. LPD はオリジナルのファイルを 直接参照するので, 印字が終了するまでそのファイルを変更 したり削除することができません.

注意: リモートのプリンタで印字している場合, LPD は, 結局のところ, ローカルホストからリモートホストにファ イルをコピーする必要があります. したがって, -s オプ ションはローカルのスプーリングディレクトリの空き容量を 節約するだけで, リモート側では節約されません. それに も関わらず, このオプションはそれでも有用です.

-r

ジョブに含まれるファイルを, スプーリングディレクトリに ファイルをコピーした後に削除します. もしくは, -s オプションと一緒に使われた場合は, 印字終了後に削除され ます. このオプションの使用には十分注意して下さい.

7.5.4.3. ヘッダページ用オプション

以下のオプションにより, ジョブのヘッダページに通常印字さ れるテキストを lpr に調整させることができます. 対象のプリ ンタからヘッダページが出力されない場合は, これらのオプションは 何の効力も持ちません. ヘッダページの設定に関する情報については, 「 ヘッダページ」を参照してください.

-C text

ヘッダページに印字されるホスト名を text に置き換 えます. なお, ホスト名の場所には, 通常, ジョブの要求が あったホストの名前が印字されます.

-J text

ヘッダページに印字されるジョブ名を text に置き換 えます. ジョブ名の場所には, 通常, ジョブの最初のファイ ル名, または, 標準入力からデータが印字されたときは 「stdin」が印字されます.

-h

ヘッダページを出力を禁止します. 注意: サイトによっ ては, そのヘッダページの生成方法により, このオプション の効果が現れないかもしれません. 詳細は, 「 ヘッダページ」をご覧ください.


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