FreeBSD ハンドブック : アプリケーションのインストール : ports コレクション : 自分で port を作る : Packageの名前
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4.7.10. Packageの名前

Packageの名前は以下のルールにしたがってつけてください. こ れはpackageのディレクトリを見やすくするためで, 無秩序な名前 がたくさん並んでいるとユーザが使いづらくなるのではという心配か らです. (FTPサイトなどにはたくさんpackageがありますからね.)

Packageの名前は以下のようにしてください.

[<言語>-]<名前>[[-]<オプション>]-<バージョン.番号>;

${DISTNAME} が上記の形式になっていない場合に は, ${PKGNAME} をそのようにしてください.

  1. FreeBSDはユーザの慣れ親しんだ言語のサポートに力を入れて います. 特定の言語のためのportのpackage名には `<言語>' に ISO-639 で定義されている言語名の略称を入れ てください. 例えば, 日本語なら `ja', ロシア語なら `ru', ベト ナム語なら `vi', 中国語なら `zh', 韓国語ならば `ko', ドイツ 語なら `de', といった具合です.
  2. `<名前>' の部分は原則的にはすべて英小文字 を使います. 例外はたくさんのプログラムが入っている巨大なport の場合で, XFree86 (ほんとにあるんですよ) やImageMagickな どがこれにあたります. そうでない場合には, 名前の大文字を小文 字に (少なくとも最初の一字だけは) 変えてください. もし, 大文字であることが重要な場合(例えば, 1文字の名前, R とか V)には, あなたの裁量で大文字を使うのも良いでしょう. Perl 5 のモジュールでは, 頭に `p5-' を付け, 2重コロン(::) のセパレータをハイフン(-)に置きかえるしきたりになっています. 例えば, `Data::Dumper' は `p5-Data-Dumper' になります. また, その ソフトウェアの名前として通常使われるものに番号, ハイフン, あ るいは下線が入っている場合には, それらを使うことも構いません (`kinput2' など).
  3. コンパイル時に環境変数やmakeの引数などで ハードコードされたデフォルト を変えてコンパイルできる場合, `<compiled.specifics>' にそのコンパイル時のデフォルトを入れてください (ハイフンはあってもなくてもかまいません). 用紙のサイズ, あるいはフォントの解像度などがこれにあたります.
  4. バージョン番号は数字とアルファベットからなり, ピリオド (.) で区切ります. アルファベットは二文字以上続けてはいけませ ん. ただ一つの例外は「パッチレベル」を意味する `pl' で, それ 以外にバージョン番号がまったくついていない場合にのみ使うことがで きます.

では, ${DISTNAME}を正しい ${PKGNAME}に直す例を見てみましょう:

DISTNAME        PKGNAME                 理由
mule-2.2.2      mule-2.2.2              まったく問題なし
XFree86-3.1.2   XFree86-3.1.2           同上
EmiClock-1.0.2  emiclock-1.0.2          プログラム一つだけの時は小文字のみ
gmod1.4         gmod-1.4                `<名前>' のあとにハイフンが必要
xmris.4.02      xmris-4.02              同上
rdist-1.3alpha  rdist-1.3a              `alpha'のような文字列は使えない
es-0.9-beta1    es-0.9b1                同上
v3.3beta021.src tiff-3.3                なんなんでしょう ;)
tvtwm           tvtwm-pl11              バージョン番号は必ず必要
piewm           piewm-1.0               同上
xvgr-2.10pl1    xvgr-2.10.1             `pl' が使えるのは他にバージョン番号がない場合のみ
gawk-2.15.6     ja-gawk-2.15.6          日本語バージョン
psutils-1.13    psutils-letter-1.13     コンパイル時に用紙のサイズを指定
pkfonts         pkfonts300-1.0          300dpiフォント用のpackage

オリジナルのソースにまったくバージョン情報が見当たらず, また原作 者が新しいバージョンをリリースする可能性が低いときには, バージョ ン番号として `1.0' を使えばいいでしょう (上記のpiewmの例がこ れにあたります). そうでない場合には, 原作者に聞くか, 日付 (`年. 月.日') を使うなどしてください.


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